despiar/hope 03

※冒頭からいきなりモブ臨表現があります。
18歳未満(高校生含む)の方は絶対に閲覧しないで下さい。


滑る生暖かい掌が足の先からじわじわと這い上がってくる感触に、息を詰める。
視覚を奪われた分、どうやら聴覚や触覚が敏感になっているらしい。
男の下卑た薄笑いが耳元で聞こえたかと思うと、耳の穴にぬるりと舌が滑り込んだ。
体の奥で永遠に続くかと思う振動を繰り返す異物に体を戦慄かせながら、必死で声を呑み込んだ。

「―――っあ、あぁぁ…っく」
「まだ声を抑える余裕があるのか」

ようやく慣れ始めた振動が、突如激しさを増して体を揺さぶり、思わず腰が跳ねた。
唇の端から溢れ出た唾液を、生ぬるい舌がべろりと厭らしく舐め取る。
顔を振って抵抗すると、異物が内側を不規則に擦って、余計に締め付けてしまう。

「ヒッ…あ、あぁーーっ」

熱を持たないはずの異物を中心に、じわじわと何かが体を支配していく。
意識まで持っていかれそうで、逃れようともがけばもがくほど、強い振動が襲った。

肌が熱くて、喉の奥がカラカラに乾いている。
手も、足も、抑え込まれてびくりともしない。

「あっ、あ…、んっ……!ヤ…、っ……あぁっ!」
「こんなに小さいローターに、良いように喘がされる気分だどうだ?情報屋さん」

粘つく声が頭上で何度も挑戦的な言葉を紡ぐけれど、とうとう頭がそれを理解できなくなった。
屈したくない、そう思うのに、頭は靄がかかったように熱に侵され、体が淫らな行為に引きずられていく。
吐き気がするような感触さえ、いつの間にか快楽にすり替わってしまうこの恐ろしい行為が、臨也の自我さえ食らい始めていた。

「も…お願い……っ、あぁっ!イヤ、だ…、こんな、の……っ」
「おいおい、こんくらいで根を上げてもらっちゃ困るぜ」
「んっ、許し……、あぁぁ――っ!」

異物がもたらす耐え難い感覚に浅い息を吐く臨也を、さらに男の指が追いつめる。
男の太い指が強引に二本侵入し、中途半端な位置で止まっていたローターをぐっと突き入れた。
ぐちゅり、と濡れた音がして、体を逸らしてなんとか快楽を逃がす。
けれどこのままでは、冷たい異物の振動によってイかされてしまう。

「あぁ……、っ、ん……、も、ヤダ……、あぁっ!」

ローターを二本の指で挟み、巧みに位置をずらされ、代わる代わる与えられる振動にもう声を抑える余裕はどこにもなかった。
太腿の内側を撫ぜられただけで、ぞわりと体に刺激が走る。
熱い、熱い、苦しい。
喉の奥が塞がれたように息が苦しくて、忙しなくはあはあと息が漏れる。

「クッ、あっ…、あぁぁぁ――――っ!」

男の指が強引に抜かれたかと思うと、振動が一気に臨也の体の内側を駆け下りた。
激しく内側の襞を擦られ、喉がのけ反り、痺れるような快感が体を容赦なく襲う。

「―――っあ……、んっ…は、……っ」

もう何も出ないのに、尿道口がびりびりと痛んで、解放を求めるように震える。
熱は一向に体の外へと逃げては行かず、臨也をどんどん飲み込んでいく。

屈辱と、悔しさと、諦めが一気に押し寄せる。
じわり、と目元を覆う布に涙が滲んだ。
泣いたって、誰が助けてくれるはずもないのに、喉が震えて嗚咽が漏れそうになる。

「休んでる暇はないぜ?情報屋のオリハラさん」

乱れたシャツの下に、見知らぬ男の冷たい手がぬるりと滑り込んだ。


next

[戻る]