冷たくも優しく 2

漂う思念を辿るために、じっと息を止めて頭に青い光だけを思い浮かべる。
目覚めたばかりの力を使うのは難しくて、いまいちその使い方もよく分からない。
けれどジョミーにはこの方法しか、ブルーの存在を感じる術はなかった。

確かに感じる、ふわふわとジョミーを包み込む思念。
その先には必ずブルーがいる。

ジョミーは細く長く続く思念を追って、閉じこもっていた部屋を飛び出した。
明かりの落とされた船内を、慣れない力だけを頼りに進む。
一度は辿りつけた、あの青白い薄明かりの中にぽつりと浮かぶ部屋。
あの時と同じように強く、ブルーを心の中で呼びながらジョミーは足を動かした。

「大きな、扉」

突き当たった場所は、見覚えのある巨大な扉だ。
その奥からブルーの思念を感じる。
恐る恐る扉に手を触れさせれば、その感覚はさらに強くなった。

(この向こうに、あの人がいる)

ジョミーは暗闇に浮かぶ月のようなあの姿を、目を閉じて思い出す。
固い意志と信念を感じさせる炎のように赤い瞳が、ジョミーを貫く。

生きていてくれるなら、たとえこの目で確かめられなくたっていい。
こうしてブルーのことを思うだけで感じられるのだから、きっと大丈夫だったのだ。

「よかった…」

ブルーの生を確認できた途端、体を突き動かしていた力がどこかへ消えていく。
疲労した身体が休息を求めて冷たい床へと吸い込まれていく。
ジョミーはその流れに従って床に座り込んで、隔てる扉に凭れるように額を寄せた。

『ジョミー』

するとジョミーの頭の中に、ひとつの声が響いた。
驚いて顔を上げると、その声はもう一度ジョミーに語りかけた。

『おいで、ジョミー』

促す声とともに扉が左右に開いて、立ち上がったジョミーはそこにゆっくりと足を踏み入れた。


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