あからさまな敵意。嫌悪、怯え、猜疑心。
多すぎる思念がジョミーにまとわりついて、重くのしかかっている。
これ以上聞きたくないと耳を塞いでも、それらは否応なしにジョミーに刺を刺す。
向けられる視線も、また同じ。
どこか哀れむようなものまでが、ジョミーを絡め捕る。
あの時、ブルーやみんなの言葉を理解しようとせず、無闇にこの船を飛び出した。
暴走して、我が儘に付き合ってくれた優しいリオを傷つけて、そして―――。
(ソルジャー・ブルー…)
その力が残り少ないと知りながら、宇宙まで追い掛けてくれたブルー。
ジョミーがあんなことをしなければ、ブルーが傷つくことはなかった。
(分かってる、そんなこと)
今でも鮮明に焼き付いている、ブルーがぐったりと意識の通わぬ身体を横たえたまま、運ばれていく姿。
全部、ジョミーが招いたことだった。
それなのに、ブルーは意識を失う直前までジョミーに優しい言葉を掛け続けた。
「大丈夫」
ブルーの身体を支えながらシャングリラに再び降り立った時、不安と戸惑いと後悔でぐちゃぐちゃになっていたジョミーの震える腕を、そっと握ってくれた。
その優しい手を、ジョミーの温かい記憶を守ってくれた手を、自ら傷つけた。
不可抗力だった。でもそれは紛れもなくジョミーのしたこと。
(僕が…)
後悔が後から後から溢れ出て、胸がキリキリと締め付けられる。
ジョミーのために命をかけてくれたのに、一言のありがとうも、ごめんなさいも、何も伝えられていない。
あの後ブルーがどうなったのか、無事なのかさえジョミーは知らないのだ。
だけどどうしても、ここでおとなしく眠っていることはできない。眠れるはずもない。
与えられた部屋にまるで閉じこもるように蹲って、過ぎたことを悔やんでいるだけなんて。
「ソルジャー・ブルー…あなたに会いたい。会って、言わなきゃならないことがたくさんあるんです」
シャングリラを包み込む柔らかな思念だけが、ジョミーの心を癒してくれる。
最後に触れたブルーの手のようなその温かさをたどって、ジョミーは自分の体を抱きしめた。
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